

朝6時にスッキリと目覚めた。ステロイドのおかげかと思うと腑に落ちないが、気分の悪い朝よりよっぽどマシだ。体調がいいので、急遽オフィスへ行くことにした。中野さんに誘われていた「松永」にも行きたい。
2人に連絡すると、中野さんから「一緒に行きたい!」と返信があった。今日一時的に実家に帰る母の車で神宮前へ向かう。快気祝いをしてくれた日から1ヶ月以上経つ。久しぶりすぎて、オフィスの鍵を忘れるという大失態。さらに、1階から2階へ続くスロープを歩くと息切れし、2階から3階へは信におんぶしてもらうという始末。要らない雑誌を処分し、引き出しの整理をした。
約1時間で片付けを終え、念願の「松永」へ。酸素ボンベを引いて行くのは恥ずかしかった。注文はもちろん「とりそば」。また食べられてよかった、という気持ちで胸がいっぱい。帰り際、店主に病気のことを伝えると「待っているからね」と言われ、涙ぐんでしまった。きっと私たちの会話をちょこちょこ聞いていたのだろう。
中野さんの車に荷物を積み込み、自宅まで送ってもらった。ひと休みして、今度は信の運転で代官山のCA4LAへ。大きめの黒のベレー帽が欲しかった。駐車場から店舗へ行く途中のほんの十数段の階段で呼吸が苦しくなり、しゃがみこむ。情けない。お湯を持って来てもらい、落ち着きを取り戻したところで店内へ。すぐにお気に入りが見つかり購入。
続いて恵比寿のZoffとJ!NSに、伊達メガネを買いに行く。心配した母からは無理しないようにと言われたが、動けるうちに動いておきたい。信とまるでコスプレごっこのようにあれこれ試し、両方の店で1点ずつ購入した。
帰宅し、食後に帽子とメガネでファッションショー。他にもネットで購入したヘッドスカーフなどを組み合わせて遊んだ。歩くのがどんどんキツくなってきている。どうか抗がん剤が効いて、もう少し楽な生活が送れますように。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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