
朝4時に息苦しさを感じて目が覚めると、酸素吸入器が外れていた。咳き込むとまた血痰が出る。汗をかいたパジャマを着替え、6時までうとうとした。
今日は面会スケジュールが詰まった1日。シャワーの後、少しだけ化粧をした。10時半にさっこが来た。中学以来の友人で、今は年1回のお泊まりが恒例になっている。いつもどおりのテンションで会話が弾んだ。
ランチの後、13時半に来る友達3人を待っていると、山本さんといっちょ君がアポなしで登場。母の教え子で、彼らが中学生のとき私が産まれた。父が亡くなってから、母をサポートしようと、よく飲み会やゴルフを企画してくれている。友達が到着すると、3人で築地場外へ出かけていった。
あみちゃん、みずき、うっちゃんは、20代後半〜30代前半によく遊んだメンバー。独身女子4人で、週末ブランチをしたり、クラブへ行ったり、高級ホテルに泊まったり、旅行をしたり、通称“SATCごっこ”を楽しんだ。サマンサ役だった私が本当にガンになるとは、皮肉すぎて笑えない。今日は元々1年ぶりに4人で会う約束をしていたので、自分の妊娠報告ができたらいいなと密かに思っていた。気が早すぎて笑ってしまうが、ベイビーシャワーの場所まで決めていた。そのことを話そうか迷い、ただただ泣いてしまった。
続いて16時にのぶちゃんとがみっちょが来た。今はもっぱら登山とキャンプの女子部代表メンバーの2人。昨日もちょうど、がみっちょから「リハビリハイクどう?」と誘われたところだった。子連れで来ていた真幸ちゃんには出雲大社のお守りをもらった。みんなに大体同じ話をして、同じところで泣いてしまうが、一緒になって涙を流してくれる友達がいて幸せだ。突然の話で驚いただろうに、みんな冷静に受け止めて話を聞いてくれる。抗がん剤治療を応援してくれている。成功を祈ってくれている。心の準備ができるまで、もう少しだ。
夜は、はるちゃんと植野さんが差し入れを持って来てくれた。このメンバーだと笑いが絶えない。泣いても笑ってもあと1日。明日はどんな1日になるんだろう。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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