
母は出張で、朝8時半過ぎに病院を後にした。今日は午前10時に小島先生から今後の治療方針について説明があるため、信とはるちゃんが病院に来た。提案された抗がん剤は2種類。どちらも順天堂医院の加藤先生にもらった資料に載っていたので、さほど驚きはない。ひとつはパソパニブという錠剤で、毎朝4錠服用する。もうひとつはエリブリンという点滴で、週1回通院で治療を受ける。乳がんの治療でもよく使われる薬らしい。錠剤のほうの副作用は脱毛の代わりに白髪になる。それ以外の副作用は、今まで使ってきた薬とほぼ変わらない。どちらも吐き気は少ないそうだ。
期待できる効果は20%。私の場合、はじめに投与したパクリタキセルはこの20%に入れなかったが、5クールまで行ったアドリアマイシンは一定の効果があったと評価できるらしい。残念ながら効果は薄れ、腫瘍は大きくなってしまったが、酸素吸入の必要がなくなり、全く痛みのない生活を3ヶ月近く送ることができたのは確かだ。また20%の望みをかけてトライすることになるだろう。
夕方みずきとあみちゃんがお見舞いに来てくれた。今日は暖かく、桜がほぼ満開になったらしい。私はと言うと、リハビリで病室のあるフロアを計3周しただけ。体のだるさは取れず、足取りも重い。横になると相変わらず息苦しいので、オプソというモルヒネ剤を服用することになった。肺炎ではなく、肺がんが進行しているのではないかと不安になる。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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