
正直このタイトルはもう使いたくない。
昨晩も咳が止まらず何度も起きた。早くこの苦しさから解放されたい。9時過ぎに母とがんセンターへ向かう。朝からロビーは人で溢れかえっている。5mを歩くのがやっと。院内での移動はもっぱら車椅子だ。血液検査とレントゲンと終えるとすぐに米盛先生の診察に呼ばれた。
2週間前の胸のレントゲンの写真と比べて、先生が言った。「こういう風に白く見えるのは、胸水。肺に水が溜まっているんだね。これが呼吸困難や発熱の原因。あと、ヘモグロビンの値が7.0を下回っているから、輸血が必要だね。すぐに看護師さんに病床を案内させるからね。」当たり前のように入院を促された。
最後にひとつだけ質問をした。先週木曜日まで元気だったのに、どうしてでしょう?すると先生は、「抗がん剤の投与がある週はガン細胞が抑えられているけど、ない週は、こうやって暴れ回っちゃうってことだね。」これは、パクリタキセルが効いていないということではなかろうか。続ける意味があるのだろうか。診察室を出て、愕然とした。その後、看護師の誘導で、16階の病室へと移動した。
今回の入院の目的は主に3つ。痛みの緩和、輸血、ドレーンによる胸水の排液だ。痛みに関しては、点滴で対応していく。そのラベルにはモルヒネの4文字。ああ、遂にそのステージまで来たか。水で薄めながら、極少量から痛みに応じて自分のペースで投与していく。1プッシュすると、確かに肺の痛みはなくなるが、その後2時間だるさと睡魔との戦いになる。看護師さん曰く、4日ほどで慣れるらしい。しかも、これから長く“お付き合い”していく薬になるそうだ。わかっていても、現実を突きつけられると辛い。
午後4時頃、輸血もはじまった。人様の血をいただいておいて何だが、これが最高潮に不快。ドレーンでの胸水排液は、明日他の医師たちと話し合って決定するそうだ。不安だらけの入院生活が、またはじまった。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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