
昨晩も薬が切れると熱が上がり、朝に起きると心臓が痛い。4時間以上仰向けで寝てしまうと、心臓に負担がかかるようだ。
今日は外来の予約や検査で忙しい1日になるが、薬を飲んでも熱が下がらず辛い。まずは、順天堂医院へ保険請求のための診断書を取りに行き、その後、腫瘍内科の先生に会う。はるちゃんも仕事を休んで合流してくれた。いつも穏やかな加藤先生に、今の病状と治療方針について話し、ちょっとだけ癒される。熱が下がらないのは、腫瘍熱の可能性があるそうだ。最後は「がんばって」と背中を押された。
続いて、国立がんセンターでPET-CTの検査。抗がん剤治療の前に、体のどこにガンや炎症が起きているか特定するためだ。熱でふらふらしてしまうため、車椅子で移動する。今、私の体の中で何が起きているんだろうか。また心臓に水が溜まっているのかな? がん細胞が増殖しているのかな? いい細胞が頑張ってガンを退治してくれているのかな? 繰り返し自問した。
検査が終わり向かったのは、市ヶ谷にある免疫療法専門のクリニック。スパサロンのような受付には先生の著書が並べられており、何だか嫌な予感がする。看護師の問診を終えて、カウンセリングがスタートするも、保険の話ばかりであまり信用できるタイプの先生ではない。
でも、収穫はあった。肉腫は比較的、免疫療法との相性がいいそうで、薬とワクチンを併用することにより、30〜40%の効果が期待できる。また、浸潤とリンパ球の状況によっては、治療開始後1週間で効果が表れるという。がんセンターでも受けられる可能性があるので、次回担当医に相談してみることにした。
夜は母の手料理を家族3人で囲む。少し熱も下がり、2日ぶりにまともに食べられた。はるかが会社を辞めると聞き、泣いてしまった。自分も父が闘病生活を送っていたとき、カナダの大学を休学して、看病のために帰国したのだ。父はその4ヶ月後に息を引き取った。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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