
夜中に起きてシャワーをしたが、その後は薬なしで朝まで眠れた。体調は幾分マシになっている。
希少ガンを患い、他院で治療不可能と宣告され、今国立がんセンターで治療を受けている母の友人に連絡をしてみた。「生きる意欲を人のためにしてみろ、怖いものなんてなくなるよ」と言われ、ハッとした。確かに今まで、自分のことしか考えていなかった。もうそんなに先が長くないなら、私を思ってくれている人のために生きてみようかな。ちょっとした心の変化。昨日キャンセルしてしまった美容師さん、今日の体調ならサロンへ出向くことができるかもしれない。
あみちゃんに日時を相談して、ウィッグを作りたいと話すと「治療するのね、よかった」と返事があった。すでに地毛でウィッグを作るために必要な長さや保存方法を調べてくれていた。しかもプレゼントしてくれるという。親友の優しさが心に滲みた。
お昼前にカーシェアで恵比寿の無印良品へ、枕やスリッパを買いに行った。具合が悪く、ヘトヘト。午後になって回復してきたので、美容院へ。予約がいっぱいで多忙の中、時間を作ってくれた美容師、森さん。ウィッグ隊長のあみちゃんも急遽合流して、指定の長さに断髪。色々な想いが込み上げてきて、思わず泣いてしまった。あと1ヶ月でこの髪も全部なくなるんだ・・。久しぶりのショートカットは、病気でちょっと痩せた顔に似合う気がする。満足、満足。
夕方から、息を吸うと左の肺なのか、心臓にズキンと痛みを感じる。慢性的にならないことを祈るばかり。


Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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