
2〜3時間おきに起きたが、トータルで7時間ほど眠れた。朝の不快感は軽減している。
夜中、ローランに病名を英語で伝えるため、肉腫を調べた。詳しく内容は見ていないが、悪性は極めて特殊で転移性が高く、生存率は・・などと書かれた見出しに寒気が走る。本当に自分はすべてを知りたいだろうか? 現実を受け入れる準備はできているだろうか? 腫瘍内科の先生にステージ4と聞いて泣きじゃくる私に、「人間誰だって死ぬ!俺だって死ぬ!」と訴えかけた信の言葉が何度も脳裏に蘇る。
朝、母とコーヒーを買い、屋外庭園を散歩した。希少ガンと闘う母の友人の話に少し勇気付けられた。今日は初めてリバビリ室に呼ばれた。血圧や体温を測定した後、ストレッチ、自転車、歩行をして、心臓に負担がないか調べる。私の病状を知らないトレーナーとの会話はぎこちないものだった。退院日は17日に決まったが、病理の結果はまだ出ていない。母はだんだんイラついてきている。1日も早く、セカンドオピニオンを聞きたいのだ。
午後になって信が来た。もうすぐインバウンドのツアーがはじまるので、忙しそうだ。私の状況を知った仕事仲間たちが動き、なるべく信が東京にいられるよう、スケジュールを組み直してくれたそうだ。ありがたい。本当に、色々な人たちに支えられている。誕生日メッセージを送ってくれた何人かの友達に病状を伝えた。皆、びっくりしたに違いない。明日はじめて友達と面会することにした。涙の量はだいぶ減った。少しずつ、現実を受け入れる準備ができはじめているのか。
夕食前に仕事帰りの正子さんがスープストックを持ってやってきた。2種類とも美味しくて、ぺろりと平らげた。寝る前になると、信が全身をくまなくマッサージしてくれた。私って、幸せじゃないか。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
Contact :
ayaka.morohoshi@gmail.com