
改めまして先日はお忙しい中、葬儀ミサへお越し頂きました皆様方へ、この場を借りまして遺族よりお礼申し上げます。
葬儀にご参加できなかった方へ、恐縮ではありますが、このブログにて結びのご挨拶をさせて頂きたく存じます。
文香は昨年の秋に病にかかり、それ以来入退院を繰り返しておりましたが、4月16日の早朝、母親のユリ子さんと、妹のはるちゃんと、私が見守る中、永眠しました。
その日は、彼女の会社の上司であるローランも本社ニューヨークから駆けつけておりましたが、無念にも生前の面会には間に合いませんでした。文香は数日前に、右手が動かなくなるまで仕事を続けており、京都、貴船の旅館にお客様がちゃんと到着されるかを、最期まで気にしていたのです。その事を伝えるとローランは、頭を横に振りながら「それが文香だ」と言いました。
彼女の仕事ぶりを知っている方は、その姿がいかに自然体で美しく、旅とホテルと、その情熱を共にする人間への愛情に満ちていたかを、ご存知だと思います。
文香は生きる事を愛していました。好きな事に対して素直に全力で取り組み、その喜びを周りの人間と惜しみなく分かち合いました。洋服のチョイスやスーパーで買う食材。家で観るテレビ番組や、地下鉄の駅で使う出口。花の飾り方。言葉使い、ラインの打ち方、メールの文章、電話の出方、切り方。
おこり方、喜び方、悲しみ方、笑い方。全てが文香らしく、オリジナルで魅力的で、その世界で過ごす毎日は、私の人生で最高に幸せな日々でした。
母の様な包容力を持ち、娘の様に守りたい存在であり、姉の様に優しくて妹の様に可愛いく、何よりも、文香は私の全てを受け入れてくれる、親友でした。生涯を共に過ごす事は出来ませんでしたが、一緒に過ごした4年間には、私達の一生分が詰まっていた気がします。
彼女がこの世を去る事実を、私はまだ受け入れる事ができずにおります。この先、美味しいものを食べたり、美しい景色を見たり、楽しい事、幸せな事がある度に、思い出し、時間をかけて少しずつ、受け入れていく事になるでしょう。でも、文香の友人のあつこさんが言ってくれた様に、その時間を大切にしていきたいと思います。
文香は私達の中で生き続け、皆様と私を強くしてくれるでしょう。今頃、彼女は、お父さんの寿夫さんに優しく迎え入れてもらい、楽しく積もる話しをしているのだと信じます。
文香が息を引き取る数日前、彼女は私に「必ず幸せになってね」と言いました。その言葉は、今日そのまま皆様へもお届けいたします。
療養中の半年間、病と向き合う文香に寄り添い、共に泣き、共に笑い、全力で彼女を支えて頂いた皆様方。
遺族を代表して、文香に代わり、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
夫、山口信


Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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