
アドリアマイシン3クール目、2回目の治療日。朝9時に母に迎えに来てもらい、国立がんセンターへ向かう。いつもどおり血液検査とレントゲンを受け、外来の予約を待った。今日は主治医の先生が不在で、初めて会う先生から説明を受けたが、今までの経緯をカルテだけ見て話をされてもいまいちピンと来ず、聞きたいことも聞けないような雰囲気だった。レントゲン画像は明らかに左肺の胸水が減っているように見え、血液検査も今まで以上に良い数値で、問題なく治療が受けられるとの診断だった。
母、妹、信と一家総出で出向き、2時間近く待ったにも関わらず、薬など細かいことを質問できない状況だったのが腑に落ちず、緩和ケアの石木先生に会いに行くことにした。体調が良いことを喜んでくれて、薬もある程度自分で調整して問題ないと聞き、安心した。その後、通院センターへ行くと薬剤部からすでに抗がん剤が届いていたが、治療の前に4人でランチへ出かけた。
来週はこのメンバーで温泉旅行に出かける予定だ。入退院を繰り返していたときは、もう旅行なんてできないと思っていた。酸素が外れ、はじめはコンビニまで歩くのがやっとだった体力も、今は電車に乗って出かけられるまで快復した。数日前、雪の西穂高岳をテレビで見て、ロープウェーを使えば西穂山荘くらいまで歩けるんじゃないかと思ってしまった。病気になって、もう海外旅行ができないと思うと辛かったが、もしかしたらまた行けるかもしれない。春になったら数時間の飛行機からチャレンジしてみようかな。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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