
横になって寝られなかったため、夜中何度も起きてしまうが、朝になると昨日の痛みはほぼ消えていた。一体何だったのだろう。肺ガンが進行していると思うと怖い。
朝5時に母も起き、妹夫婦が起きてくる前にシャワーをした。朝の脱衣所は寒く、暖房をつけても震える。そのせいか、今度は寒気がして、風邪のような症状。体温を計ると37.3度、朝食後は37.7度まで上がってしまった。迷わずカロナールを服用する。
今日は東京に戻るので、母と妹が中心となって、裕子さんの別荘を片付け、掃除や洗濯をこなしていく。ベッドの移動や酸素吸入器を運ぶのは、正浩さんにお願いした。私はほとんど動くことができず、ソファに腰掛けたまま。母がまず、妹夫婦を小淵沢駅まで送りに行った。荷物が多く4人乗れないため、2人は電車で帰る。その前に諏訪神社へ参拝に出かけた。
母が戻り、別荘の最終点検をし、私を乗せて東京方面へ出発。中央道からは、見事な紅葉とうっすらシルエットのように浮かぶ富士山の景色が美しい。ひと寝入りして、サービスエリアで車を降りるも、いつものように歩けない。息苦しく、横断歩道で立ち往生。近くのバリアフリートイレに母と2人で入った。一昨日までの元気な自分はどこに行ってしまったのか。薬を飲み、呼吸を落ち着かせる。
自宅に着くと、信が笑顔で出迎えてくれたが、私は無事到着できたという安堵と苦しさで涙してしまう。まともな昼食をしていなかったので、信がロシュティを作ってくれた。スイスの伝統料理で、前日に余ったポテトをすりおろし、パンケーキのように、オリーブオイルでじっくりと両面を焼き付けたものだ。それに、ブラウエン・ベルクのソーセージを合わせた。母も大満足。
信が帰った後の八ヶ岳の話をしていたが、私の身体は依然として不調。寒気と関節痛で風邪のような症状だ。抗がん剤治療をはじめると、あるとき必ず白血球の数が激減し、免疫力が低下するという。そんな状態で風邪が治るとは思えないが、少しでも楽になりたい。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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