
午前1時に息苦しく目が覚めると、酸素が外れていた。吐き気止めの薬を再度服用して寝るも、朝起きた時の不快感は半端なかった。朝、回診に来た緩和ケアの石木先生も、担当医の小島先生も、抗がん剤の副作用だと言っていた。副作用はおおまかに、投与して数時間で出るものと、3〜4日で発症するものがあるらしい。朝方に服用した吐き気止めは眠気の作用が強く、何度も二度寝してしまうが、何度寝ても吐き気はおさまらない。
今日は、信の継母のゆかりさんが面会に来る予定だ。10時を過ぎてシャワーを浴びるも、あまりの辛さに涙してしまう。信のパパとゆかりさんとは、8月のセーリングでも一緒だった。2人が目黒のマンションを解約してから、ウチが東京の住所になっているため、郵便物などのやりとりで、しょっちゅう連絡を取り合っている。いつも元気いっぱいのゆかりさんが、「なんで? なんで、あやなの?」と私の肩を抱きながら泣いていた。
午後になっても吐き気と体のだるさがおさまらない。人間ドックを終えた妹が来るも、ほとんど会話ができない状態。一生懸命マッサージしてくれたり、できることはないかと声をかけてくれるが、眠気が勝ってしまう。歯科で新しいマウスピースを受け取った後、在宅診療の先生と会い、24時間体制のサポートや定期的な訪問看護を薦められる。自分がそんなサービスを利用することになるとは、まだ信じられない。夕方、鍼灸師の先生が来て、体を温めながら気を流してもらうと、幾分楽になった。
夜は母が作ったきのこカレー。今日はじめて食べたいと思った。奇跡的。ようやくいつもの調子が戻って来た。長い、長い1日だった。

Ayaka Morohoshi諸星 文香
1980年10月14日東京都生まれ。フリーランス。カナダの大学を卒業後、不動産開発会社や旅行会社の勤務を経て、2011年より世界の素敵なホテルを厳選した宿泊予約サイト「Tablet Hotels」に従事。現在は都内でパートナーと2人暮らし。
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